家具

2007/07/04

山桜のテーブル

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いつものことながら、納期ぎりぎりまで作業に追われ、完成即納品で記録としての写真も撮らずにお嫁入りしたテーブルに、10何年か振りで再会した。

Crambon_woodworks_918  先日来、修理で預かっていたテーブルを届けてきた。
同じお客様のところに、低めのテーブルも大小二つ納まっているのだが、不具合な所も無く使われていて安心した。
山桜で作ったのだが、時の経過とともに好い色になっていた。
ただ、別荘で使われているので、毎日使い込むものと違い拭き込むことが少ないため、表面が乾き按配なのは仕方の無いところ。

Crambon_woodworks_914_1  この機会にとオイル(植物油)で拭き込んで手入れをした。
これで当分一安心。
きれいになったとお客様にも喜んでいただき、作った私たちも好い気分。

 昔の自分の仕事を見ると、よくもまあと自分で思うのもおかしな話だが、手間のかかる仕事をしている。

 今だって手を抜くことはないが、「他に笑われるような仕事はするな」と、親方に言われ自分でもそう思い、自分がされたら嫌なことはしたく無いからそうするだけなのだが、昔の仕事に再会し、しっかり働いている姿を確認し、改めてその思いを強くしたのだった。

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2007/05/17

椅子の修理

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座板が反ってしまって、座り心地が悪くなった椅子、ひっくり返して裏側にしたら、座り心地がよくなった?

Crambon_woodworks_720 座板が反ってしまった椅子の修理を依頼された。お仕事で東南アジアに赴任されていた時求められたものだという。

 木材は、主に内部に含まれる水分が、大気中の湿度とバランスをとるため増減し、そのことに因り収縮、膨張する。
表と裏や、部分的に不均一な収縮がおこると反りや、狂いを発生させる。

 加工する前の乾燥が足りなかったか、作られた場所の湿度と、こちらの湿度の違いによって、乾燥が進んだことが原因か。
特に今の日本の住環境は乾燥気味。
それで、熱や蒸気、高周波等で強制的に人工乾燥させ、狂いを防ぐ工夫もするが、万全ではない。

 写真のように、中高に反ったので長い時間座っていると、お尻が痛くなったのではないか、以前の「記事」で書いたのだが、点で体重を支えず、面で受け分散する形が良い。

Crambon_woodworks_722_2  修理は元のように直すことも可能だが、今回はこの狂いを逆手にとり、裏返して使うことにした。
こうすることで、反ったカーブがお尻の丸みに合い、体重を面で受けることになり、座り具合もいくらか良くなるだろう。

  ただ、本体に固定する部分が浮くことになり、ネジがこのままでは効かないので、間にスペーサーを入れることにする。
方法としては、18mmの丸棒を埋め込み座からの出具合で、高さを調整することにした。
これでしっかり、固定できる。

Crambon_woodworks_723  南洋材についての知識はないので、樹種は判らないが巾440mmの立派な一枚板の座だった。

 長く待っていただいたが、もうすぐ現場復帰する。

  画像をクリックすると大きくなります。  

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2007/04/24

記念の子どもいす

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以前、いずれ生まれてくるお孫さんのために、子どもの椅子を五つ求められたお客様がいた。それから14年、念願叶い、椅子に名前と生年月日を彫り込んでプレゼントされることになった。

Crambon_woodworks_561  昨日の夕方、しばらくご無沙汰していたお客様が見えた。
お孫さんが生まれたので、前に納めた子ども椅子を持って来られ、名前と生年月日を彫刻して欲しいとの依頼だった。

 お誕生のお祝いで彫りをするのは、今回が2度目で、五つ作ったうち、これまで四つがお嫁入りし、手元に一つだけになったと話されていた。

 むかし、まとまった数を作っていた時に来られ、即、求められたように覚えている、その頃はご自身のお子さんも、成人したぐらいであったろうから、お孫さんにというのは、半分口実だったのではないか。いずれにしても、気に入って頂いた事は事実、有り難いことだった。

Crambon_woodworks_589  プレゼントされる子どもさんは、自分の名前や、誕生日の刻み込まれた椅子を、大きくなってどのように思われるのだろうか。
きっと、やさしいおじいさんとおばあさん(と呼ぶにはまだ早いのだが)のことを、思い出すことだろう。

 年を取られてからも、玄関で靴を履く時など重宝するだろうから、一生使えると伝えた。

Crambon_woodworks_564_2   丁度、笠木(椅子の背の上の横木)が大人の腰の上ぐらいをしっかり支えてくれるように作ってある。

 預かった椅子には、これから笠木と帯貫(笠木の下の横木)に、それぞれLucida Sans Unicodeの書体で、名前と年月日を彫り込むことになる。 

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2007/04/13

三角スツール

Crambon_woodworks_526_1  品名:  Triangolo(トリアンゴロ) 55

 寸法: 座高 400mm
      座巾 380mm

 樹種: ミズナラ
      ブラックウォールナット(楔)

 塗装: オイルフィニシュ(植物油)

                                              三本足のスツール、床の凹凸に関係なく、がたつかない。

 昔、ヨーロッパでは、床が土間なのか石だったのか、不整地で、4本足の椅子では落ち着きが悪かった。それで三本足の椅子が多かったと、何かで読んだことがある。

Crambon_woodworks_527  かつて、春日部駅の西口すぐに、村田さんという方が喫茶店をされていた。
家具を中心とした膨大なアンティークのコレクションをお持ちで、それらを惜しげもなくお店で使われていた。
本物に触れることは良き栄養になることと、ご主人のお話も勉強になり、何度かお邪魔したものだった。
お店の奥の部屋でお話を伺ったのだが、隅の方から、低い座の三本足の愛くるしい小椅子を、いくつも出してこられ、見せていただいたことを思い出した。
ヨーロッパの民家でかつて使われていたものだということだった。

 アルネ・ヤコブセンのアントチェア(1952年の発表時は三本足だった)を始めヨーロッパに三本足の椅子があるのはこういう流れか。

Crambon_woodworks_525  写真の椅子は、以前、平泉の工芸店「せき宮」さんに納めたものだが、乾燥で脚が緩み、修理をしたもの。

むくの木の家具はどうしても、乾燥に因る故障が起きることがある。
水分の出入りが主な原因なのだが、過乾燥気味の、今の住宅環境を考えると、止むを得ないところがあり、使い手の方には、ご理解いただきたいところ。

 十分乾燥させた材料を使用し、出来るだけ故障がおきないよう、配慮はしているが、発生した場合は、修理をすることで対応してゆきたい。
今回は、接着剤の変更と楔の厚みを増して直した。

尚、三本足の椅子、安定した座り方は、前1本、後ろ2本の向き。これに人の足が加わり、前後に2本づつ、中央に1本で、安定した5本足となる。

名前のTriangolo(トリアンゴロ) イタリア語の三角形、打楽器のトライアングル、三角形のサンドイッチもトリアンゴロと呼ぶそうだ。
お遊びだが、ひびきに愛嬌があって、好いと思うのだが。

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2007/04/09

テーブル (聖餐卓)

Crambon_woodworks_325_3 品名: 聖餐卓(新生釜石教会) 51

寸法:長さ  1800mm
    奥行き   800mm
         高さ     700mm

樹種: ミズナラ
塗装: オイルフィニッシュ
    (植物油)

 教会、礼拝堂の中央にあり、パンとぶどう酒の杯をのせるテーブル。

 これまでに、5つの教会の聖餐卓を製作した。
信徒でもない者が、このような特殊な用途の家具を作る時、求められていることは何なのか悩む。
テーブルには違いないが、プラス何かが求められているはず、それは何か、それをどう形にするか。

 20年前初めて依頼された時は、牧師さんと一緒に、いくつもの教会を見学した。今は廃刊となった、雑誌「室内」に載った、鎌倉雪ノ下教会まで見にも行った。その時求めた、献堂までの記録「神の民の家・祈りの家をここに建て」も参考にした。

 聖餐卓はこうあるべし等とは、何処にも書いてないのだから、当然、私なりの解釈だが、おぼろげながら、見えてきたのは、形は食卓で良いが、家具もまた礼拝という働きを形作る要素の一つであり、相応しい姿が求められているということだった。
それは、礼拝を支えるものとしての家具、裏方としての家具ということであり、存在を主張しない、目に障らない形か。

 聖餐をのせる板があり、それを適当な高さで支える脚があるという、基本的で簡素な形、後は、嘘の無い自然な素材と、誠実な仕事をすればよいのではないか。

 一般家庭のテーブルは、甲板にかかる荷重に対し、不安定にならぬよう、或いは、座った時に、足が当たらぬよう、四隅に近い位置に、脚を付けることが多い。
この聖餐卓は、その制約から離れ、中央よりに板状の脚が付いている。その分、不安定さをカバーするため、通常、板脚の中ほどに貫と呼ばれる、補強の部材が両脚をつないで組み込まれるが、それを、床まで下げ長さ方向の安定を図っている。

 甲板は、400mm前後の巾の板、2枚を中央で接着せず、2mmの隙間を空けてある。これを以前記事にした、バタフライキー2ヶ所で接合してある。これにも、意図するところはあるのだが、今回は省略。

 果たして、場に相応しいものになったのであろうか。
礼拝堂の家具のように、大切に扱われ、50年、100年と使い継がれるものは、重く、苦しい仕事になるのだが、作りがいがある。

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2007/03/28

バタフライキー 

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 Butterfly Key  (蝶型ちぎり):二つの部材を接合する際に、機械的?に結合させる、鼓(つづみ)型の木片。

Crambon_woodworks_422_1  ひさびさ、木工の話題、40cm弱の板2枚で、机の甲板を作るのだが、希望の巾にわずか足りない、さてどうしよう。
画像で見るかぎり、2枚の板を矧いだ(合わせた)ように見えるのだが、実は中央に38mmの材をはさんである。
Crambon_woodworks_417_1 濃い色の木片(ブラックウォールナット)をバタフライキーと呼ぶが、これが活躍しているのである。

Crambon_woodworks_414_2  幸い、140cmの長さがあれば良い。2mの板からの木取りで、60cm残る。そこでこの残りから、38mm巾の材を3本木取り、長さ方向につないで、広い2枚の板の間に挟み、接合した。共木だからさほど違和感無く見える。

Crambon_woodworks_415_1   ただし、長さ方向のつなぎ目はどうしても気になるので、上の画像のように、濃い色のバタフライキーを線の上に入れてみた。こうすることで、つなぎ目の線が隠れるし、微妙な木目の違いも、濃い色の方に目が行くので気にならない。二つの材を、(形から判ると思うが)引き寄せる役割もするのだが、どちらかと言うと視覚的な効果を期待して今回は使ってみた。

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2007/03/25

木の家具の艶(つや)

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 20年前に製作した両袖机、抽斗(ひきだし)の表板が少し割れ、アフターサービスとして補修するため預かってきた。久々の再会、良い具合に時代が付いていた。

Crambon_woodworks_420_2  引き手(つまみ)の部分の艶が判るだろうか、毎日使い続け、手で触れることで出てきた木の艶。
納品した時にはほとんど無かったが、使い手の方が長い間、使い込むことで作り出したもの。

 決して、初めからある、塗料の表面的な艶ではない。

 手沢(しゅたく)ということばを、デザイナーの深澤直人さんの本で知った。使い込むことで持ち物に時代がついて艶が出て来ること。まさにその通りなのだが、全てのものがそうなるわけではない、家具の場合も同様で、仕上げの塗料によっては、こういう具合にはなって来ない。

 どちらかというと、表面をしっかりコーティングしてしまう、ウレタンのような強い化学塗料よりも、浸透して塗膜を作らない植物油や、昔からある、ラッカーやセラックニスの方が、使い込むことで良い艶を得られる。

 これは、何もわざわざ磨き込む必要は無く、時々、固くしぼった布で水ぶきする程度で良く、むしろ愛着を持って撫で回し、手油を摺り込むことで使い手の方が作り出すと言えよう。

Crambon_woodworks_428  ラッカーやセラックニスは、強い塗料ではないが、それ故、長い間に磨り減って手の油と置き換わり、イスの肘掛や背の、手や身体の触れる部分に、手摺れと呼ばれる艶が出る。

 抽斗のつまみの艶は、一番手指のさわる部分だからこそ得られた艶。

 せっかくの木の家具、傷がつかない、水や熱に強い、耐久性優先の塗膜でコーティングするよりも、使い手の方に多少扱いに負担をかけるが、植物油のような塗料で仕上げ、木の感触や経年変化を楽しんでもらいたい。

 そのためには、愛着を持てるだけのものを、作らなければならないのだが。

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2007/03/15

思い出の記念品(カッティングボード)

Photo_12  品名:カッティングボード 29
       
   寸法:長さ 33.5cm
     巾  25.0cm
           厚み 2.2cm
   樹種:シウリザクラ
   塗装:オイルフィニッシュ
           (植物油)

                                                                                               ぽつり、ぽつりと、忘れた頃に頼まれるものに、先日の記事「ピース天火」に脇役で登場した、カッティングボードがある。

 パンやケーキ、果物等を卓上で切り分ける時が出番。
どうってことのない、板切れのようなものだが、結婚される方へのお祝いに贈られる場合等、片側に 「Give us this day our daily bread」 の聖句と記念となる年月日やお名前を彫る。普段は壁掛けとして飾っておける。

Crambon_woodworks_234   何かの始まりを表す、日付のあるカッティングボードを使うとき、それまで刻んできた時間を振り返り、楽しかったことなど、思い出すきっかけとなれば、「まないた」としての用以上の働きをしたことになりはしまいか。

 写真は、1980の年号が入っている自家用で、27年前の昔々に、若かりしかみさんが初めて作ったもの。私たちの歴史が刻み込まれている。
何だかいろいろ思い出す。

結婚祝い、新築祝い、誕生日のお祝い・・・ご活用下さい。

写真のものは、すべてミズナラです。

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2007/03/10

子どもの椅子 園児の椅子

Crambon_woodworks_344 品名:子ども椅子 24

  •  寸法:全高 560
         座高 290
         座巾 300
         奥行 280

 樹種:ミズナラ

 塗装:オイルフィニッシュ(植物油 植物ワックス)
 

 13年前、神奈川県の歴史のある教会の付属幼稚園から、子ども用の椅子が修理のため届いた。関東大震災の頃作られたものという。(奥の古い椅子)

 子どもたちが毎日腰掛けるに相応しい、温かみのあるかたちと、傷んではいたが、手抜きの無い誠実な仕事がしてあることを、依頼主に伝えたところ、幼稚園年長児のために寸法を大きくし、新たに作ることになった。限られた予算の中、ホゾの全てに角度がつく、手間のかかる苦しい仕事であった。

 後日、座板の裏に焼印を押すことになり、再会した椅子たちは、母親が心を込めて作ったであろう、色とりどりの30のクッションをのせ、良い顔をして働いていた。

 昨年、手入れをしに行って来た。子どもたちの扱うものだから、傷や汚れはあったが、ホゾが緩んだりして、こわれたものはなかった。
ただ、今のパイプと合板の椅子の軽さと比べると重く、保育士さんたちが、こぼすことがあると園長先生から聞かされた。しかし、この重さと引き換えに得るものはあると思う。

 木の椅子に座って育った子どもたちは、どんなふうに育っていくのだろう、少しでも栄養になってくれれば良いのだが。

 30脚とずっと思い込んでいたのだが、行ってみたら60脚だった。オイルをもう一度塗ったが、夜までかかって大変だったと、担当したかみさんから報告があった。

お問い合わせは、メール送信からどうぞ。  

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